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緊急事態宣言延長は大きな危険をはらんでいる

2021.03.06

今回の記事の前提として

日本政府が最終的に決定して、法の下に宣言を延長することが決定したので、私もトリニティ株式会社としても決定に従い、新型コロナウイルス感染症への感染対策を継続し、当社運営レストラン「トラットリア・トリニータ」の営業も引き続き緊急事態宣言下の対応をします。意見が異なるから従わないということではなく、従った上で意見を表明したいと思います。

また、今回はいろいろと調べて書くということではなく、日経新聞2021年3月6日朝刊を読んだ上での意見です。報道によってさまざまな書き方や視点があるようです。それらを精査していくと膨大な時間を消費してしまうため、ファーストインプレッションというような位置づけです。

ゴールポストが動かされた

2021年1月8日から開始された緊急事態宣言。解除条件として挙げられていたのは大きくいえば2つでした。

  1. 感染状況がステージ4から下がってステージ3になること
  2. 東京で1日あたりの新規感染者数が、平均500人を下回ること
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各地の感染状況 6つの指標 新型コロナ|NHK」より
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各地の感染状況 6つの指標 新型コロナ|NHKより。2021年1月3日時点の状況。
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各地の感染状況 6つの指標 新型コロナ|NHK」より。2021年3月3日の状況。明らかに数値が改善し、ステージ3の基準になっている。

3月4日時点でNHKのウェブサイトによれば、6つの指標すべてでステージ3です。東京都の新規陽性者数の平均は完全に500人を下回っています。しかし、日経新聞によると「加藤勝信官房長官は「まだ安定的というところに至っていない」と語った」とのことで、基準を決めたのにもかかわらずそれを曖昧な表現でひっくり返しました。

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モニタリング項目(1)新規陽性者数 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト」より。2021年3月5日の数値。どう見ても500人は下回っている。

会社経営でも目標を決め、そこに向かって社員一丸となり、その目標を達成した瞬間に、その目標を社長が「もっと高くても良いんじゃないか」と言って引き上げたら社員はどう思うでしょうか? さらに頑張って、上を目指そうとなるでしょうか。もちろん、比較的容易に達成した場合に目標値が低かったとして再度高く設定することはあります。ただ、それは一度目標は達成したという成果は消えません。

日本国民全体が緊急事態宣言を受けて、全体的には十分に注意し、飲食店や観光業、その他大打撃を受けている企業も含めて、目標に向かって頑張り、そして達成したのにもかかわらず、それでは達成ではないので延長します、となってはやっていけません。しかも、その理由が曖昧だというのも非常によくありません。「なんとなく」とか「周りが言うから」「アンケートの結果」とかで「総合的に判断」するのは企業マネジメントだったら落第点といえます。

緊急事態宣言を解除できない恐れ

今回の緊急事態宣言で一番心配しているのは、延長したからといって具体的な新しい施策がなく、結果としてなんとなく言い始めている「ステージ2」や、感染者数をさらに下げるというようなことが実現しないのではないかと思っています。

日本国民は本当に真面目で、ロックダウンほどの強い施策ではないのに旅行や会食、ミーティングなどを控えてリモートワークに励み、飲食店なども自らの生存が危ういというのにルールを守るお店が大半です。こんなに真面目にやってきた人たちに対して、目標を達成したのにさらに我慢を強いるというのはなかなか心理的に難しく、これから少しずつ緩んでいくと思います。陽性者が自然に減っていくような状況ではありません。

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日経新聞2021年3月6日朝刊より。

逆に新しく出てきた「無症状者へのPCR検査を増やす」という施策は陽性者数をいたずらに増やすだけで、緊急事態宣言を解除することができなくなる方向に進んでしまいます。陽性者数が下げ止まっているということが延長のひとつの理由でしたので、陽性者が増えているのに解除することは絶対にできなくなってしまいます。政府が自分の首を自分で締めにいっている状態となっています。

もしも、本当に2週間で終えるつもりで、絶対にここで終えようということであれば、明確な目標値の設定をし、それを達成するための施策を打つ必要がありますが、いまのところは期間さえ延長すれば陽性者が減って、結果ステージ2になるのではないかという「感じ」なのではないかと思います。

このまま2週間が経過して、状況が変わらず、むしろ数字の上で悪くなることが予想されるので、再々延長ということが見えていてとても心配です。

私自身が社内でも言っている、目標の定量化と実現のためのアクションプランを作り、PDCAサイクルを回すということができてないのが、今の日本政府なのかなと思っています。文句ばかり言って、じゃあ代案を出せということになるかもしれませんが、長くなるのでまた機会があれば書きたいと思います。下記の記事を見ていただくと、考え方の方向性は変わっていないので、私の言いたいことを理解してもらえるかもしれません。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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